防音合わせガラスを分かりやすく解説

内窓を取り付ける目的が防音対策のみであれば
防音合わせガラスをオススメしています。

防音合わせガラスとは一体どういうものなのか
身近なものを使ってお伝えしていきます。

防音合わせガラスはハンバーガー!?

簡単に言うと、防音合せガラスはハンバーガーのようなものです。

・パン = ガラス
・お肉 = 防音フィルム

になります。

色々な種類の防音合わせガラスが作られています。

ですが、どの種類であっても、お肉の厚さや種類は同じです。
防音フィルムは全て同じなのです。

防音合わせガラスは、ガラスの厚さによって種類が異なる

では、防音合わせガラスは種類によって何が違うかと言うと
パンの厚さが異なります。

つまり、ガラスの厚さによって種類の違いが生まれています。

そのため、お値段の高い防音合わせガラスであっても、ダブルバーガーのようなガラスはありません。

あくまでハンバーガーのパンが分厚くなるだけです。

それでも、ガラスが厚くなるだけで防音にはとても効果的です。ガラスが厚く重くなればなるほど、音を跳ね返す力は強くなるからです。

そもそも防音フィルムって必要なの?

ガラスが厚くなるほど音を跳ね返す力が強くなるのであれば「防音フィルムは入れずに
 ガラスだけを厚くすればいいのでは?」

というご指摘もあるかもしれません。

しかしながら
騒音と呼ばれる音は、低音域から高音域まで様々です。

板ガラスやペアガラスにはそれぞれ苦手な音域があります。

例えば、普通の板ガラスだと
人が最も感じやすい音の音域
1,000〜2,000ヘルツで遮音性能が低下してしまうのです。

そのため、防音フィルムを挟むことで
苦手な音域をカバーして
音域全体の音をまんべんなく防げるようになります。

防音合わせガラスの厚さごとの特徴

防音合わせガラスの種類は以下のタイプがあります。

・6mmタイプ(板ガラス3mm + 防音フィルム + 板ガラス3mm)
・8mmタイプ(板ガラス4mm + 防音フィルム + 板ガラス4mm)
・10mmタイプ(板ガラス5mm + 防音フィルム + 板ガラス5mm)
・12mmタイプ(板ガラス6mm + 防音フィルム + 板ガラス6mm)
・16mmタイプ(板ガラス8mm + 防音フィルム + 板ガラス8mm)


日本板硝子、AGC(旧:旭硝子)も基本同じタイプを製造しています。

他のガラスメーカーからも製造されていますが、内窓の枠と違って、ガラスの構成が同じであれば、メーカーが違っても防音性能に差はありません。

それぞれのタイプの特徴をご説明していきます。

6mmタイプの特徴

ガラス構成
板ガラス3mm + 防音フィルム + 板ガラス3mm

一般的な防音合わせガラスで、内窓プラストでも防音まどまどでも組み合わせることができます。

防音ガラスの中では最も薄いため、窓の開閉も他の防音ガラスよりも楽にできます。

どの音域も苦手な音域はなく、全体的に防音できるガラスになります。特に中〜高音域では、一般的な板ガラス5mmよりもしっかりと遮音してくれます。

ただし、2倍の厚さの12mmタイプと比べてしまうと、低音域と高音域は防音性能が大きく劣ります。

8mmタイプの特徴

ガラスの構成
板ガラス4mm + 防音フィルム + 板ガラス4mm

8mmタイプは提案する機会はかなり少ないです。ですが、6mmタイプでは物足りないけれども、10mmや12mmではガラスが重すぎるというお客様には提案させて頂くこともあります。

「開き窓だから重いガラスは入れにくい。それでもできるだけ防音効果の高い窓を取り付けたい」といったケースになります。

10mmタイプの特徴

ガラスの構成
板ガラス5mm + 防音フィルム + 板ガラス5mm

8mmタイプに次いで、提案する機会が少ないのが10mmタイプです。

防音対策では、サッシ枠は主に内窓プラストを提案させて頂きます。

しかし、好みの製品色であったり、今の窓枠の幅が狭かったりという条件で、AGCの防音まどまどを選ばれる方もいらっしゃいます。

防音まどまどを選んだ際、最も防音効果の高いガラスが10mmタイプになります。内窓まどまどの場合は、選べるのは6mmタイプ、10mmタイプのみです。

12mmタイプの特徴

ガラスの構成
板ガラス6mm + 防音フィルム + 板ガラス6mm

防音対策で内窓プラストを取付けるときに、最も選ばれるのが12mmタイプです。他のガラスと比べると、低音域でも防音性能が高くなります。

防音対策は「トラックの走行音を軽減させたい」という要望も多いです。トラックの走行音は低音域が多く入っています。低音域の場合は、12mmタイプを提案させて頂きます。

ピアノの鍵盤の中央の「ド」の音が約1,000Hzになりますが、1000Hz付近の中音域では防音性能は少し下がります。ですが、他のガラスと比べて劣るわけではありません。

窓工房では、防音対策はガラスの選択よりも
サッシ枠の密着性が重要だとお伝えしています。

12mmタイプを選ぶ場合は、
組み込むサッシ枠自体の密着性が高くなければ、
十分な効果が発揮されません。

そのため、12mmタイプを組み込めるのは
内窓プラストだけになります。

16mmタイプの特徴

ガラスの構成
板ガラス8mm + 防音フィルム + 板ガラス8mm

窓工房では、試験的に内窓プラストに16mmタイプを組み合わせたことがあります。メーカー保証外になるため、私たちから提案することは基本ありません。

ガラスが重くなればなるほど、音を跳ね返す力は強くなります。ただし、16mmタイプになると重さという明確なデメリットがでてきます。窓枠や戸車が耐えられなくなる可能性が出てくるのです。

しかしながら、ガラスを厚くすれば、防ぐことが難しい低音域の音をより防げるようになっていきます。

・窓のサイズが小さめである
・ほとんど開閉しない窓である
・メーカー保証はなくていいからしっかり防音をしたい

というお客様であれば、16mmタイプも検討の余地はあると考えています。

結局、防音合わせガラスは何mmがオススメなの?

「サッシ枠は内窓プラストに決めたけれども
 ガラスはどれを選ぼう?」

こんな風に悩まれるお客様は多くいらっしゃいます。

窓工房ではどんな風にガラスをご提案しているのか、どんなお客様がそのガラスを選んでいるのか、参考にお伝えしていきます。

内窓プラストの場合は、6mm、12mmで悩まれる方が多いようです。

内窓プラストで6mmタイプを提案するのは、どんなとき?

防音対策は「寝室にある全ての窓」「リビングにある全ての窓」というように、部屋単位でご提案させて頂きます。

ご自宅の全ての窓の防音対策をして、家全体を静かにしたいお客様ですと、予算が限られていることが多いです。

その場合はサッシ枠は最も性能の高い内窓プラストにして、その代わりにガラスの厚さを落としてご提案することがあります。

ガラスの厚さを下げる場合も、お客様にヒアリングをさせて頂いて決めていきます。

6mmタイプをご提案させて頂くのは
・開け閉めを頻繁にする窓なので重くなるのは困るという場面
・防音したい音に低音域は少なそうだと判断できる場面
・予算が限られている場合
などになります。

内窓プラストで12mmタイプを提案するのは、どんなとき?

12mmタイプを選ばれたお客様には
「後から後悔したくないから、このガラスにした!」
と言う声をよく聞きます。

もちろん全ての窓を12mmにしなくても
「その代わり、予算も限られてるからリビングだけね」
というお客様もいらっしゃいます。

ただし、予算が限られているお客様であっても
我々の中でこの音は12mmタイプにしないと防ぐのは難しいと判断できる場合は
12mmタイプもご提案させて頂いています。

防音対策をしたい音が
・トラックや電車の音である場合や
・明らかに低音域が多い場合
はやはり12mmタイプがオススメです。

詳しくは窓枠「内窓プラスト」のページも参考にしてください。

防音まどまどの場合は、選べるタイプは6mm、10mmだけ

AGC製の防音まどまどを取り付ける場合は
防音合わせガラスは「ラミシャット」の2タイプのみになります。

・6mmタイプ(板ガラス3mm + 防音フィルム + 板ガラス3mm)
・10mmタイプ(板ガラス5mm + 防音フィルム + 板ガラス5mm)

通常の防音対策であれば、6mmタイプのご提案になります。

ただし、窓工房のスタッフがご自宅などの現場で防ぎたい音を実際に聞かせてもらって「ガラスを厚くした方が良い」と判断した場合は10mmタイプをご提案しています。

詳しくは窓枠「防音まどまど」のページも参考にしてください。