防音合わせガラスを
分かりやすく解説
内窓を取り付ける目的が防音対策のみであれば「防音合わせガラス」をオススメしています。
防音合わせガラスとは、2枚のガラスの間に、防音特殊中間膜をはさみこんだガラスです。
外の騒音や、部屋の中からの音漏れを抑える効果があります。

ここでは、身近なものを例に挙げながら防音合わせガラスについてご説明します。
- 防音合わせガラスは一体どういうものなのか
- 防音合わせガラスの特徴
- 防音合わせガラスの選び方
ー もくじ ー
防音合わせガラスは
ハンバーガー!?
防音合わせガラスとは一体どういうものなのか、身近なものを例に挙げながらお伝えしていきます。
防音合せガラスについて考える時、ハンバーガーをイメージしていただくと分かりやすいです。

簡単に言うと、防音合せガラスはハンバーガーのようなものです。
・パン = ガラス
・お肉 = 防音フィルム
とイメージして下さい。


色々な種類の防音合わせガラスが作られています。
どの種類であっても、お肉の厚さや種類は同じです。
防音フィルムは全て同じなのです。
種類の違いは、ガラスの厚さによります。
防音合わせガラスは
ガラスの厚さによって
種類が異なる
防音合わせガラスは種類によって何が違うかと言うと、パンの厚さが異なります。
ガラスの厚さによって種類の違いが生まれています。

お値段の高い防音合わせガラスであっても、ダブルバーガーのようなお肉が2枚入っているガラスはありません。
あくまでハンバーガーのパンが分厚くなるだけです。

お肉の厚さ(=防音フィルムの厚さ)ではなく、パンの厚さ(=ガラスの厚さ)で防音合わせガラスの違いが生まれているんです。
ガラスが厚くなるだけで防音にはとても効果的です。
ガラスが厚く重くなればなるほど、音を跳ね返す力は強くなるからです。
防音フィルムって
そもそも必要なの?



パン(ガラス)の厚さが防音に関係するなら、お肉(防音フィルム)ってそもそも必要なのかしら?
ガラスが厚くなるほど音を跳ね返す力が強くなるということをお伝えしました。
それならば「防音フィルムは入れずにガラスだけを厚くすればいいのでは?」というご意見もあるかもしれません。


騒音と呼ばれる音は、低音域から高音域まで様々です。
ガラスは、種類ごとに、それぞれ苦手な音域があります。
防音フィルムを挟むことで、苦手な音域をカバーすることが可能になります。
例えば…
板ガラスやペアガラスにはそれぞれ苦手な音域があります。
普通の板ガラスだと、人が最も感じやすい音の音域1,000〜2,000ヘルツで遮音性能が低下してしまいます。
そこで、防音フィルムを挟むことで、苦手な音域をカバーして、音域全体の音をまんべんなく防げるようになります。





このグラフを見ていただくと、防音フィルムがないもの(板ガラス)に比べると、防音合わせガラスの性能が高いことが分かりますよね。
防音合わせガラス
厚さごとの特徴
防音合わせガラスは、以下の5タイプがあります。
- 6mmタイプ
(板ガラス3mm + 防音フィルム + 板ガラス3mm) - 8mmタイプ
(板ガラス4mm + 防音フィルム + 板ガラス4mm) - 10mmタイプ
(板ガラス5mm + 防音フィルム + 板ガラス5mm) - 12mmタイプ
(板ガラス6mm + 防音フィルム + 板ガラス6mm) - 16mmタイプ
(板ガラス8mm + 防音フィルム + 板ガラス8mm)
内窓の窓枠と違って、ガラスの構成が同じであれば、メーカーが違っても防音性能に差はありません。
日本板硝子、AGC(旧:旭硝子)も基本同じタイプを製造しています。
他のガラスメーカーからも製造されています。
それぞれのタイプの特徴をご説明していきます。
6mmタイプの特徴
防音合わせガラス
ガラスの構成
板ガラス3mm + 防音フィルム + 板ガラス3mm
6mmタイプは、一般的な防音合わせガラスです。
内窓プラストでも防音まどまどでも組み合わせることができます。
防音ガラスの中では最も薄いため、窓の開閉も他の防音ガラスよりも楽にできます。
どの音域も苦手な音域はなく、全体的に防音できるガラスになります。
特に中〜高音域では、一般的な板ガラス5mmよりもしっかりと遮音してくれます。
ただし、2倍の厚さの12mmタイプと比べてしまうと、低音域と高音域は防音性能が大きく劣ります。
8mmタイプの特徴
防音合わせガラス
ガラスの構成
板ガラス4mm + 防音フィルム + 板ガラス4mm
8mmタイプは提案する機会はかなり少ないです。
ですが、6mmタイプでは物足りないけれども、10mmや12mmではガラスが重すぎるというお客様には提案させて頂くこともあります。
「開き窓だから重いガラスは入れにくい。それでもできるだけ防音効果の高い窓を取り付けたい」といったケースになります。




10mmタイプの特徴
防音合わせガラス
ガラスの構成
板ガラス5mm + 防音フィルム + 板ガラス5mm
8mmタイプに次いで、提案する機会が少ないのが10mmタイプです。
防音対策では、窓枠は主に「内窓プラスト」を提案させて頂きます。
ただ、好みの製品色であったり、今の窓枠の幅が狭かったりという条件で、AGC製「防音まどまど」を選ばれるお客様もいらっしゃいます。
「防音まどまど」を選んだ際、最も防音効果の高いガラスが10mmタイプになります。
「防音まどまど」の場合は、選べるのは6mmタイプ、10mmタイプのみです。
12mmタイプの特徴
防音合わせガラス
ガラスの構成
板ガラス6mm + 防音フィルム + 板ガラス6mm
防音対策で「内窓プラスト」を取付けるときに、最も選ばれるのが12mmタイプです。
他のガラスと比べると、低音域でも防音性能が高くなります。
防音対策は「トラックの走行音を軽減させたい」という要望も多いです。
トラックの走行音は低音域が多く入っています。
低音域の場合は、12mmタイプを提案させて頂きます。
ピアノの鍵盤の中央の「ド」の音が約1,000Hzになりますが、1000Hz付近の中音域では防音性能は少し下がります。
ですが、他のガラスと比べて劣るわけではありません。
窓工房では、防音対策はガラスの選択よりも、窓枠の密着性が重要だとお伝えしています。
12mmタイプを選ぶ場合は、組み込む窓枠自体の密着性が高くなければ、十分な効果が発揮されません。
そのため、12mmタイプを組み込めるのは、「内窓プラスト」だけになります。
16mmタイプの特徴
防音合わせガラス
ガラスの構成
板ガラス8mm + 防音フィルム + 板ガラス8mm
窓工房では、試験的に内窓プラストに16mmタイプを組み合わせたことがあります。
メーカー保証外になるため、私たちから提案することは基本ありません。
ガラスが重くなればなるほど、音を跳ね返す力は強くなります。
ただし、16mmタイプになると重さという明確なデメリットがでてきます。
窓枠や戸車が耐えられなくなる可能性が出てくるのです。
しかしながら、ガラスを厚くすれば、防ぐことが難しい低音域の音をより防げるようになっていきます。
・窓のサイズが小さめである
・ほとんど開閉しない窓である
・メーカー保証はなくていいからしっかり防音をしたい
というお客様であれば、16mmタイプも検討の余地はあると考えています。
結局、防音合わせガラスは
何mmがオススメなの?
防音合わせガラスの厚みごとの特徴をお伝えしてきましたが、我が家の場合はどれを選べばいいのだろう…と迷われているかと思います。
窓工房では、どんな風にお客様にガラスをご提案しているのか、どんなお客様がそのガラスを選んでいるのか、お伝えしていきます。参考にして下さいね。



窓枠は「内窓プラスト」に決めました。
ガラスは何を選べばいいですか?
「窓枠は内窓プラストに
決めたけれどもガラスはどれを選ぼう?」
「窓枠は色で防音まどまどにしたい
けれど、どのガラスが良いか迷います」
と悩まれるお客様は多くいらっしゃいます。
実際のお客様とのやり取りを元に、ガラスの選び方についてお話させていただきます。
内窓プラスト
を選んだ場合
窓枠に「内窓プラスト」を選んだ場合
内窓プラストの場合は
6mm、12mmで悩まれる方が多いようです


窓枠が「内窓プラスト」
内窓プラストで6mmタイプを提案するのは、どんなとき?
防音対策は、部屋単位でご提案させて頂きます。
部屋単位というのは、「寝室にある全ての窓」「リビングにある全ての窓」ということです。
ご自宅の全ての窓の防音対策をして、家全体を静かにしたいお客様ですと、予算が限られていることが多いです。
その場合は窓枠は最も性能の高い内窓プラストにして、その代わりにガラスの厚さを落としてご提案することがあります。
ガラスの厚さを下げる場合も、お客様にヒアリングをさせて頂いて決めていきます。
6mmタイプをご提案させて頂くのは
- 開け閉めを頻繁にする窓なので重くなるのは困るという場面
- 防音したい音に低音域は少なそうだと判断できる場面
- 予算が限られている場合
などになります。
窓枠が「内窓プラスト」
内窓プラストで12mmタイプを提案するのは、どんなとき
12mmタイプを選ばれたお客様からは
「後から後悔したくないから、12mmのガラスにした!」
というお声をよく聞きます。
もちろん全ての窓を12mmにしなくても
「予算も限られてるからリビングだけ12mmにしますね」
というお客様もいらっしゃいます。
予算が限られているお客様であっても、専門的な立場から見た時に、この音は12mmタイプにしないと防ぐのは難しいと判断できる場合は、12mmタイプのご提案させて頂いています。



防音の観点から、ご提案させていただくことはありますが、最終的に決めていただくのはお客様です。
ご予算と防音対策の両方でベストな選択をしてただけるように尽力いたします!
防音対策をしたい音が
- トラックや電車の音である場合
- 明らかに低音域が多い場合
は、やはり12mmタイプがオススメです。
詳しくは窓枠「内窓プラスト」のページも参考にしてください。
防音まどまど
を選んだ場合
窓枠に「防音まどまど」
防音まどまどの場合は
選べるタイプは6mm、10mmだけ


窓枠に、AGC製「防音まどまど」を取り付ける場合は、防音合わせガラスは「ラミシャット」のみになります。
防音合わせガラスは「ラミシャット」は厚さによって2タイプあります。
- 6mmタイプ
(板ガラス3mm + 防音フィルム + 板ガラス3mm) - 10mmタイプ
(板ガラス5mm + 防音フィルム + 板ガラス5mm)
通常の防音対策であれば、6mmタイプのご提案になります。
ただし、窓工房スタッフが、実際にご自宅などの現場に伺い、防ぎたい音を聞かせてもらって「ガラスを厚くした方が良い」と判断した場合は10mmタイプをご提案しています。



現場で音を確認して、その音を防ぐのに最も適した厚みのガラスをご提案させていただきます!
詳しくは窓枠「防音まどまど」のページも参考にしてください。
ガラス選びのヒント
内窓に組み込むガラス紹介
内窓に組み込むガラスについて詳しく解説しています。
窓の専門家である窓工房が、プロ目線でガラスについて解説しています!