異厚の防音ペアガラスを分かりやすく解説

異なる厚さの板ガラス2枚を組み合わせた防音ペアガラスです。

通常のペアガラスは防音対策に不向き

まず異厚のペアガラスの説明をする前に
通常のペアガラスについてご説明していきます。


①板ガラス3mm
②板ガラス3mmを2枚合わせた通常のペアガラス

この2つのガラスを比べると、
ガラス部分の厚さは、単純に2倍になります。

通常はガラスが厚くなれば、その分、遮音性能も高まります。

ところが、2枚のガラスが同じ厚さのペアガラスでは、
共鳴透過現象が起きて、低音域での遮音性能が大きく下がります。

この共鳴現象が遮音上の弱点となってしまうため、
「防音対策にはペアガラスは不向き」とお伝えしています。

異厚のペアガラスであれば防音効果を発揮してくれる

しかし、その弱点を克服しているのが、異厚のペアガラスです。

2枚のガラスを異なる厚さの組み合わせにすることで
ペアガラスの共鳴透過現象を防ぐことができるのです。

厚めのガラスを使った異厚のペアガラスは、
防音合わせガラス並みの防音効果を発揮します。

音域のほぼ全体で6mmの防音ガラスをしのぐ遮音効果があり、
音域によっては12mmの防音ガラス以上の効果が期待できます。

さらに、Low-Eガラスを使うことで、
断熱対策にも抜群の効果を発揮して
くれます。

内窓プラストに組み込む場合

大信工業製の内窓プラストに
異厚ペアガラスを組み込む場合は

板ガラス6mm + 空気層8mm + 板ガラス4mm

のガラス構成になります。

これに比べて

一般的なペアガラス18mmは
板ガラス3mm + 空気層12mm + 板ガラス3mm

という構成です。

空気層を除いた板ガラス部分の厚さだけ見ると

異厚のペアガラスは10mm
一般的なペアガラスは6mm

と約1.7倍の厚さになります。

そのため、ガラスの重量も約1.7倍になり
窓の開閉に重たさを感じるかもしれません。

もし窓の開閉が重くなることを避けたい場合は
真空ガラスがお勧めです。

防音まどまどに組み込む場合

AGC製の防音まどまどに
異厚ペアガラス組み込む場合は

板ガラス3mm + 空気層9mm + 板ガラス6.8mm

のガラス構成になります。

防音まどまどの場合は
メーカー側に細かいガラス指定ができないため
選べる異厚のペアガラスは上記の構成のみです。

ですが、ガラス屋としては
なぜこの構成だけなのか疑問があります。

結局、内窓プラスト、防音まどまどのどちらに組み込めばいいの?

防音対策で内窓を取付けたいお客様は

「できるだけ防音効果の高い内窓がいい!」
「サッシ枠の色はホワイトや薄い茶色があればそれでいい」
「断熱効果が上がればいいけど、一番は音なの!」

というご要望を持たれている方が多いです。

すると、

内窓プラスト + 防音合わせガラス or 異厚のペアガラス 

の組み合わせに自ずと落ち着きます。

一方で、

防音対策で内窓を取付けたいお客様であっても

「濃い茶色(ヨーロピアンオーク)は外せない!」
「断熱効果もアップさせたい!」

という条件を持たれている方は

防音まどまど + 異厚のペアガラス

の組み合わせをご提案しています。

異厚の防音ペアガラスのまとめ

・異なる厚さのガラスを2枚使うことで、ペアガラスの弱点を克服
・音域によっては12mmの防音ガラス以上の防音性能
・防音ガラスよりも断熱効果が大幅にアップ!