内窓に使う窓枠を決めたら
次はガラスを選んでいきます。
ガラスを選ぶときのポイントは次の2つです。
その1. どんな種類の音を対策したいか
その2. 防音以外にはどんな悩みを抱えているか
窓工房では、この2点を、お客さまからじっくりと聞かせてもらって、その内容に合ったガラスを提案しています。
1. どんな種類の音の対策をしたいか
ガラスの種類や厚さによって
得意とする音域(音の高さ)が異なります。
しかしながら、実際にガラスを選ぶときは
「この音なら標準的な厚さの6mm防音ガラスなら間違いありません」
「この音はもっと厚い防音ガラスであれば防げます」
と悩みの音をピンポイントで防げるガラスがあるわけではないのが実状です。
その中でも窓工房では
・とにかくできる限りの防音対策を取りたい方には
12mm厚の防音合わせガラスを組み込んだ内窓プラストをご提案
・防音対策はできる限りしたいのだけど
窓の開閉を頻繁にするから重い窓は困るという方には
標準的な厚さの6mm防音ガラスでご提案
というケースが多いです。
また、低い音域が多く含まれているトラックの騒音などは
防音合わせガラス12mmなどの厚いガラスを使用することをお勧めしています。
低い音域は防音対策が難しいのですが、グラフからも分かる通り、防音合わせガラス12mmは他のガラスよりも明確に遮音されていることがわかります。
その2. 防音以外にはどんな悩みを抱えているか
内窓を取り付けることによって対策したいのは、
音を防ぐことだけなのか、断熱効果も期待したいのか。
その目的によってガラスの選び方が変わります。
窓工房では、防音対策が一番の目的でしたら、サッシ枠は内窓プラストをご提案しています。
それでも、好みの窓枠の色、取付ける窓の状況などによって、AGC製の内窓まどまどを選ばれるお客様もいらっしゃいます。
ガラスを選ぶ際は
①内窓プラスト、その他サッシメーカーの内窓の場合
②内窓まどまどの場合
によって選べるガラスが変わってきます。
なぜなら、内窓まどまどはAGC製の窓枠のため、AGC製のガラスしか組み込めないからです。
ここでは上記の2つのパターンに分けて、最適なガラスをご紹介させて頂きます。
①内窓プラストのガラスを選ぶ場合
防音対策で内窓プラスト、その他サッシメーカーの内窓を取り付ける場合は
ガラスの候補は、主に次の5種類のガラスになります。
候補1. 防音合わせガラス6mm
候補2. 真空ガラス「スペーシア」
候補3. 真空ガラス「フィット」
候補4. 防音合わせガラス12mm
候補5. 異なる厚さの防音ペアガラス18mm( 4mm + 8mm +6mm)
パターン別にどんなガラスを使うかを解説していきます。
[パターン1] 一般的な防音対策をしたい場合
防音合わせガラス6mm がオススメです。
窓の開閉時の重さが気になるようでしたら
無理に厚くて重い防音ガラスにするのではなく
標準的な防音ガラス6mmをご提案しています。
[パターン2] とにかく遮音性を極限まで高めたい場合
防音合わせガラス12mm がオススメです。
「防音効果が一番期待できる窓を選びたい」という方は、防音ガラス12mmを組み込んだ内窓プラストをご提案しています。
特に、交通騒音や重機の音やバイクなど低音域が多く含まれている場合は、防音合わせガラス12mmで対策した方が無難です。
防音合わせガラス12mmであれば、他のガラスと比べても、明らかに低音域にも遮音効果を発揮できます。
窓工房ではこの提案内容が最も遮音効果の高い組み合わせになります。
これ以上に厚い防音ガラスであっても技術的には組み込めます。けれども、重さによるデメリットの方が大きいです。内窓プラストを製造している大信工業も推奨していません。
合わせて、防音合わせガラス 16mmの説明 もご覧ください。
[パターン3] 防音と合わせて断熱効果も高めたい場合
真空ガラス「フィット」がオススメです。
費用は少しプラスされますが、断熱効果を求めるお客様には真空ガラス「フィット」をご提案させて頂いています。
防音効果は防音合わせガラス6mmと同じレベルで、それにプラスして断熱効果も期待できます。
[パターン4]断熱・結露対策もしっかりやりながら防音対策もしたい場合
真空ガラス「スペーシア」
or
異厚の防音ペアガラス(ガラス4mm + 空気層8mm + ガラス6mm)
がオススメです。
断熱対策が最優先で、防音対策はその次というお客様にご提案しています。「とにかくこの音をどうにかしたいんだ!」と防音対策が最優先の方にはこの組合せはあまりご提案しません。
「ちょっと防音効果が劣っても、部屋をさらに暖かくしたい!」という方にオススメです。
防音対策としては、標準的な厚さの防音ガラスと同じくらいの効果が期待できるガラスです。
断熱対策としては、そもそも内窓を取り付けて窓が二重になれば部屋は暖かくなります。ですが、真空ガラスが入った内窓であれば、さらなる断熱効果が期待できます。
結露対策としては、湿度がそれほど高くない部屋であれば防音合わせガラスで結露を防げる場合も見受けられます。ですが、湿度が高い部屋で結露を防ぎ切るためには、内窓に真空ガラスが必要になるケースが多いです。
防音まどまどのガラスを選ぶ場合
防音まどまどを選んだ場合
組み込めるのはAGC製のガラスのみになります。
防音対策の場合、窓工房がご提案しているガラスは主に3種類です。
候補1. 防音合わせガラス6mm「ラミシャット30」厚さ6.8mm
候補2. 防音合わせガラス10mm「ラミシャット35」厚さ10.8mm
候補3. 防犯ガラスを使ったペアガラス18mm「ラミセーフセキュリティペア」厚さ18.8mm
バターン別に解説していきます。
[パターン1] 一般的な防音対策をしたいお客様
防音合わせガラス6mm「ラミシャット30」がオススメです。
内窓まどまどを防音対策として取付ける場合に、提案する頻度が最も高いガラスになります。ライバル会社の日本板硝子は「ソノグラス」という商品名で製作されています。性能は全く同じです。
ちなみに、窓工房では内窓プラストにも「ラミシャット30」をよく使っています。
[パターン2] さらなる防音性能を求めたいお客様
防音合わせガラス10mm「ラミシャット35」がオススメです。
ただし、防音対策だけが目的であれば
内窓まどまど + 防音合わせガラス10mm「ラミシャット35」
よりも、ガラスのランクを落としてでも
内窓プラスト + 防音合わせガラス6mm「ラミシャット30」
を選ばれるお客様の方が多いです。
なぜなら、防音対策においてはガラスよりもサッシ枠の性能が大事だからです。
番外編:和室ガラスを選ぶ場合
防音対策をしたいお部屋が和室の場合は、和ガラスを選んだり、フィルムを貼って和ガラス風にすることもできます。お客様のご希望をお気軽にお伝えください。
①組子を入れた和ガラス
②組子のない和ガラス
③通常のガラスにフィルムを貼って和ガラス風にする
以上になります。
サッシ枠とガラスの組み合わせは
防音・断熱性能の10段階評価もぜひ参考にしてください。
次は、それぞれのガラスの特徴を詳しく説明していきます。